バイオビリオン・ツアー　　

愛知県犬山市大字池野地内にある国指定天然記念物「ヒトツバタゴ」自生地

　5月連休明けぐらいに、写真のように真っ白い満開の樹冠花をつけます。
樹勢が衰退していた個体を、バイオビリオンで復活させています。まだ少し弱い個体がありますが、徐々に上向きになっています。湿地生の樹木なので、乾燥や土壌環境の変化には弱く、管理が難しい自生地ですが、他の湿生植物との共生状態を見ながら、土壌生態系保全を基本にした管理を行っています。
　ヒトツバタゴの樹勢回復に対するバイオビリオンの有効性は、細根の発達促進効果が大きいという結果で確認しています。今後もさらに実験を重ねて、通常の肥料を投与できない湿地のような貧栄養状態の土壌生態系に対する、バイオビリオンの有効性メカニズムを確認していく計画です。
　技術的なことはともかく、ヒトツバタゴは、愛知県、岐阜県などのいわゆる「周伊勢湾」地域と、対馬に隔離分布している珍しい樹種です。大陸にもありますが、分布は限定されていますので、自生地保全はきわめて重要です。犬山の個体群は、全国でも大きな個体があり、特別に立派です。現在は、７本の個体が自生しています。最高樹齢は、推定400年です。以前枯死した個体があって、それも大きかったのですが、その年輪が480年に達していましたので、それと比較しての推定樹齢です。
　バイオビリオンの有効性確認も含めて、是非お出かけください。